ファクタリングとは?わかりやすく解説

ファクタリングとは、一体何のことを意味するのでしょうか?今回は「ファクタリングとは?」についてわかりやすく解説します。

ファクタリングとは

売掛債権を入金前に譲渡して資金化する資金調達方法のこと

をファクタリングという言います。

英語では「factoring(ファクタリング)」です。

「fact(ファクト)」という英語は、要因・原因・要素という意味合いで、カタカナ英語としても、使われるワードですが、「fact(ファクト)」には仲介者や問屋という意味もあり、仲介者の意味合いで資金調達のファクタリングというワードは使わているのです。

売掛債権とは

商品やサービスなどを提供した場合、その売却代金(利用料金)を請求できる権利のこと

です。売上債権とも言われます。

日本の商慣習では、ビジネスの取引は信用取引であり

  1. 契約
  2. 商品の納品(サービスや役務の提供)
  3. 請求書の発行
  4. (売掛債権の発生)
  5. 請求金額の入金

という流れで、先に商品やサービスを納入業者が提供して、後からクライアントがその代金を支払う構造になっています。

このタイムラグの間に発生するのが「売掛債権」です。

concierge

売掛債権の場合は、商品やサービスを提供してから入金されるまでの支払いサイトが「末締めの翌月末払い、末締めの翌々月末払い」と言うものが多く、先に支払いがあって、入金が後ですから、資金力のない中小企業ほど、資金繰りに苦しむことになります。

だからこそ、売掛債権を早期に資金化する「ファクタリング」というサービスが登場したのです。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングの概要を解説すると以下のような図になります。

ファクタリングの仕組み
  1. 納入企業:クライアントへ商品の納品・サービスの提供
  2. クライアント:納入企業に対する売掛債権発生
  3. 納入企業:売掛債権をファクタリング会社に譲渡(売却)
  4. ファクタリング会社:納入企業へ手数料を除いた売掛債権の金額を入金
  5. クライアント:ファクタリング会社へ入金

という流れになります。

納入企業(ファクタリングを利用する会社)にとっては、ファクタリングを利用すれば、本来は1ヶ月~2ヶ月先にならないと入金されない売掛金が若干手数料で減ってしまうデメリットがありながらも、早い場合は即日資金化できるため、資金繰りが楽になるメリットがあるのです。

concierge
資金繰りに苦しむ、資金力のない中小企業、零細企業にとっては、この「ファクタリング」という仕組みは非常に重宝される資金調達方法なのです。

他のページでより詳しく解説しますが

ファクタリングが中小企業にとって有効な資金調達方法となる理由は、他の資金調達方法よりも「審査が通りやすい」ということに他なりません。

銀行融資やビジネスローンの場合は、企業の返済能力が審査されるため、業績の悪い中小企業、零細企業は審査に通ることが厳しいのです。しかし、ファクタリングの場合は、審査されるのは売掛先(クライアント)の信用力です。そのため、大手企業、中堅企業の売掛債権であれば、ファクタリングを利用する側の中小企業の業績が悪くても、信用力が低くても、ほとんど関係なくファクタリングを利用できるのです。

concierge
審査が通りやすいという点も、ファクタリングを利用する中小企業が増えている要因の一つとなっています。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリング

ファクタリングの仕組みは前述した通りなのですが、ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」という取引スキームの分類があります。ファクタリングを理解する上では2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いを理解する必要があります。

通常の商取引の仕組み

通常の商取引の仕組み
  1. 商品の納品(サービスや役務の提供)
  2. 請求書の発行(売掛債権の発生)
  3. 請求金額(売掛金)の入金

3社間ファクタリングとは

3社間ファクタリングというのは、文字通り3社「売掛先(支払企業・クライアント)」「納入企業(ファクタリング利用企業)」「ファクタリング会社」の3社でファクタリングを利用するサービスです。

ファクタリングの仕組み「3社間ファクタリング」

ファクタリングの仕組み「3社間ファクタリング」
  1. 商品の納品(サービスや役務の提供)
  2. 請求書の発行(売掛債権の発生)
  3. 売掛債権の譲渡(ファクタリング依頼)
  4. 売掛債権の買取金額の支払い
  5. 請求金額(売掛金)のファクタリング会社への入金

3社間ファクタリングは売掛金を支払う「売掛先(支払企業・クライアント)」に「ファクタリングを利用するのでこの請求書の支払はファクタリング会社の○○に入金してください。」と同意を得る必要があります。

3社間ファクタリングの最大のデメリットは「売掛先に売掛債権譲渡の通知が必要」という点なのです。日本の商慣習では「売掛債権を譲渡する」という行為自体が行われてこなかったため、まだまだビジネスマンの中でも「売掛債権譲渡」に関する理解が深まっていないのです。

そのため、短絡的に「売掛債権を譲渡する企業≒経営が傾いている」と考えてしまう方も多く、「今後の取引は見送った方がいいな。」という具合に悪影響が出てしまう可能性があるのです。ファクタリングを利用する会社にとっても、クライアントにそう思われるリスクがあると考えると、なかなか3社間ファクタリングの利用に乗り出せない事情があるのです。

しかし、ファクタリング会社にとっては、同意を得ておけば、ほぼ確実に売掛債権の回収はできるのですから、リスクがない分、ファクタリング手数料が安くなるメリットがあるのです。

2社間ファクタリングとは

前述した通りで、3社間ファクタリングでは「売掛先への通知」がネックになってしまい、中小企業、零細企業のファクタリング利用がなかなか進まなかったという背景があります。そこでファクタリング会社は「売掛先への通知なし」というサービスを考案したのです。それが2社間ファクタリングです。

ファクタリングの仕組み「2社間ファクタリング」

ファクタリングの仕組み「2社間ファクタリング」
  1. 商品の納品(サービスや役務の提供)
  2. 請求書の発行(売掛債権の発生)
  3. 売掛債権の譲渡(ファクタリング依頼)
  4. 売掛債権の買取金額の支払い
  5. 請求金額(売掛金)の納入企業への入金
  6. 納入企業がファクタリング会社へ入金

2社間ファクタリングでは、「売掛先への通知」はしないでいいから、その代わりに売掛先から入金があったら、そのままファクタリング会社へ譲渡した売掛債権の金額を入金してください。という仕組みになっています。

「売掛先への通知」をせずに「売掛先」から「納入企業」を経由して「ファクタリング会社」へお金を流す仕組みにしたのです。

「はじめからそうすればいいじゃん。」と思ってしまいそうですが、これには大きなリスクも発生します。

「売掛先」から「納入企業」を経由して「ファクタリング会社」の流れの中で

  • 「納入企業」が別の支払に入金されたお金を支払ってしまう。
  • 「納入企業」が受け取った入金を「ファクタリング会社」へ支払う前に倒産してしまった。
  • 「納入企業」が別のファクタリング会社にも同じ債権の譲渡をして買取額を2重で騙しとっていた。
    ・・・

と色々なトラブルが発生してしまうのです。

しかし、平成17年10月3日に「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律」(平成16年法律第148号)が施行され、比較的簡単に売掛債権の譲渡登記ができるようになりました。

登記というのは法人の登記と同じですから、譲渡する債権の公的な証明ができるということです。債権譲渡登記によって、2重の譲渡のリスクは回避できるのです。これを「第三者の対抗要件を具備する」と表現します。

残る「納入企業」が他の支払に使ってしまうというリスクは、ファクタリング手数料を3社間ファクタリングよりも高く設定することで回避しているのです。

要するに「売掛先への通知なし」でも良いけど、ファクタリング手数料は高くなるファクタリング方法が「2社間ファクタリング」なのです。
concierge
2社間ファクタリングも、3社間ファクタリングも、メリットデメリットがありますが、中小企業の経営者は売掛先との今後の取引を懸念する方が多く、2社間ファクタリングを選択する方が少なくないのが現状です。

ファクタリングの種類

ファクタリングには、前述した「2社間ファクタリング」「3社間ファクタリング」以外にも種類があります。

前述した「2社間ファクタリング」「3社間ファクタリング」は買取ファクタリングと呼ばれる種類のファクタリングで

  • 一般的な売掛債権
  • 売掛債権の買取

をベースにしています。

業界や買取方法によって他にも下記のファクタリングサービスがあります。

  • 医療機関(病院、クリニック、歯科、介護施設)の診療報酬のファクタリングサービス → 診療報酬債権ファクタリング
  • 売掛債権を買取るのではなく、保証する形のファクタリングサービス → 保証ファクタリング
  • 国内輸出企業に対して、輸出先の海外企業の支払いを保証する形のファクタリングサービス → 国際ファクタリング
ファクタリングの種類買取ファクタリング買取ファクタリング医療報酬債権ファクタリング保証ファクタリング国際ファクタリング
取引形態2社間3社間3社間2社間3社間
売掛先への通知不要必要必要不要必要
引受方法買取買取買取保証保証
債権の種類売掛債権売掛債権医療報酬債権売掛債権輸出債権
支払元国内企業国内企業国民健康保険
健康保険組合
国内企業海外企業
利用会社の種類売掛金が発生するすべての企業売掛金が発生するすべての企業病院、クリニック、介護施設、調剤薬局、歯科クリニックなど売掛金が発生するすべての企業
建設業が多い
輸出企業
メーカー、卸業者、小売業者など
資金調達スピード最短即日数営業日数営業日売掛先の倒産時支払代金回収時
概要企業取引の売上になる売掛債権を買い取るサービスのことを買取ファクタリングと言います。売掛先への売掛債権譲渡の同意が必要ない形態が2社間ファクタリングです。企業取引の売上を作る売掛債権を買い取るサービスのことを買取ファクタリングと言います。売掛先への売掛債権譲渡の同意が必要となる形態が3社間ファクタリングです。診療報酬の債権を買い取るサービスが医療報酬債権ファクタリングです。病院やクリニックなどが保険診療で入金されるまでには3か月ほどのタイムラグがあり、これを解消するためのファクタリングサービスです。売掛先が倒産した場合に売掛債権を保証するファクタリングサービスです。建設業など着手してから完成するまで数年という長い期間を要する場合に売掛先の倒産リスクが大きくなりすぎるため、それを保証するサービスです。輸出企業は輸出先の国の企業の信用調査までできないケースが多く、輸出先企業から代金回収を実行することをファクタリング会社にアウトソーシングするのです。輸出債権の決済の保証がメインになります。
メリット・最短即日の資金化
・融資でない資金調達
・審査が通りやすい
・売掛先の倒産リスク回避
・売掛先への通知不要
・融資でない資金調達
・審査が通りやすい
・売掛先の倒産リスク回避
・ファクタリング手数料が安い
・早期資金化が可能
・キャッシュフローの改善
・売掛先の倒産リスク回避
・ファクタリング手数料が安い
・保証料を国土交通省が負担
(下請債権保全支援事業)
・代金回収を自社でしなくて済む
・信用状(L/C)取引が不要。L/Cの手間やコスト負担もない
デメリット・ファクタリング手数料が高い・売掛先への通知が必要・ファクタリング手数料が高い・限度額までしか保証されない
・売掛先の倒産時にしか支払いはない
・輸出企業が費用負担
・売掛先への通知が必要

まとめ

ファクタリングは、売掛債権を譲渡する形の資金調達方法です。銀行融資やビジネスローンと比較して、審査に通りやすく、利用しやすい資金調達方法のため、中小企業、零細企業の資金繰り改善方法として注目が集まっています。