ファクタリング返済できない時に取るべき11の対策

man
「ファクタリングで返済できない時はどうすれば良いの?」
「ファクタリングで返済できない時の対策を教えてください。」

ファクタリングでは、ファクタリング会社に入金した売掛金をそのまま支払わなければなりません。しかし、入金された売掛金を他の支払いに使ってしまった場合、別のところで資金を作らないと返済できなくなってしまいます。今回は、ファクタリング返済できない時に取るべき対策について丁寧に解説します。

ファクタリング返済できない状況とは?

そもそも、ファクタリングに「返済」という概念はない

ファクタリングとは
売掛債権を売掛金の入金前に売却(譲渡)すること

を言います。

2社間ファクタリングの場合は

  • 売掛債権をファクタリング業者に売却
  • 売掛先から売掛金が入金される
  • 入金された売掛金をそのままファクタリング業者に送金する

という流れになります。

ファクタリングを利用した会社は、すでに売掛債権(売掛金を受け取る権利)をファクタリング業者に売却しているのですが、自社の口座に売掛金が入金されたとしても、それは自社のお金ではなく、ファクタリング業者のお金なのです。

ファクタリング契約では「譲渡契約」と同時に「売掛金回収代行(業務委託契約)」を締結するのが一般的です。

あくまでも、入金された売掛金は、代行業者として、ファクタリング業者に送金しなければ、契約違反になってしまうということです。

しかしながら、一部のファクタリングを利用した会社の経営者は、入金された自社のお金ではない売却済みの売掛金を、他の支払いに使ってしまう方がいるのです。

  • 意図せずに、自動的に別の引き落としが発生してしまうケース
  • 意図的に、返済しなければならない支払いに使ってしまうケース
  • 意図的に、支払わなければならない給料や買掛金に使ってしまうケース

があります。

teacher

もしここで、ファクタリング業者に「売掛金を使ってしまったので、返済できません。」と言ってしまうと、契約違反となり、訴えられてしまいます。そうならないためには、なんらかの方法でファクタリング業者に返済しなければならないのです。

キャッシュがあるのであれば、そのキャッシュから返済するだけですので、手持ちに返済するキャッシュがない場合は、どうすれば良いのでしょうか?

ファクタリング返済できない時に取るべき対策

対策その1.理由と状況を正直にファクタリング業者に伝えて、返済できるメドを共有する

ファクタリング業者は、この「売掛金の使い込み」にはシビアに反応します。

「売掛金の使い込み」は、決して少なくないからです。

売掛金の使い込み = ファクタリング業者の貸し倒れ

となってしまうため、ファクタリング業者からすれば「裏切り行為」に他ならないのです。

しかし、一方で

  • 訴訟をするのにも、お金がかかる
  • 訴訟をしたとしても、買い取ったお金が回収できる保証はない

というのも事実ですので

「売掛金の使い込み」をしてしまった場合には

  • 誠心誠意間違えを謝る
  • なぜ、そうなってしまったのか理由を具体的かつ詳細に報告する
  • いつ返済できるのか、返済方法と具体的な日時を報告する

ことで、ファクタリング業者によっては、多少返済を待ってくれるケースがあるのです。

返済が遅れる前にファクタリング業者に申告する対応をしなければ、確実に訴訟を起こされてしまいます。また、ファクタリング業者間での情報共有により、次回以降、ファクタリングが利用できなくなってしまう可能性も高いのです。

対策その2.直近で、返済できる売掛金がないか確認する

ファクタリング業者に売却した売掛金以外で、直近の入金がある売掛金を洗い出し、その入金日に返済する形を取ります。

入金した売掛金をそのまま返済資金として、ファクタリング業者に返済します。

対策その3.ビジネスローンで借りる

資金繰りが悪化している状態で、ファクタリング業者の売掛金を使いこむしかない状態となると、借りられるのは「ビジネスローン」ぐらいです。

資金調達方法の中では、比較的審査の甘いビジネスローンを利用して、資金を作り返済する必要が出てきます。

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対策その4.経営者個人が借りたお金で立て替える

資金繰りが悪化している状態で、ファクタリング業者の売掛金を使いこむしかない状態となると、比較的審査の甘いビジネスローンでも、審査に通らない可能性が高くなってきます。

そうなると「会社で借りる」ことは難しくなってしまうため、選択肢として

経営者個人がお金を借りて立て替える

という方法を考えなければならなくなります。

  • カードローン
  • 共同経営者、役員
  • 家族
  • 友人・知人

などに個人として、お金を借りて、会社に貸し付けることで、会社はファクタリング業者に返済することができるのです。

対策その5.会社の資産を売却する

返済資金が状態で、別の支払いにファクタリング業者の売掛金を使いこんでしまった状態では

  • 将来の売掛金のアテがない
  • 将来の売掛金の入金が少ない
  • 今月の資金繰り自体に困っている
  • すでに銀行融資やビジネスローンの変死に困っている

という状態である可能性が高いです。

なかなか、こういう状態になると、ビジネスローンを利用しようとしても、審査に通らないケースがほとんどになってしまいます。

この場合に有効な手段は

審査のない「資産の売却」

です。

ファクタリングも「売掛債権という資産の売却」ですので、同じような方法ですが、借入と違って、審査が不要ですので、売却できる資産さえあれば、利用することが可能になります。
売却できる資産
  • 不動産
  • 有価証券
  • ファクタリング業者に売却していない売掛債権
  • 在庫
  • 機械
  • 設備
  • 自動車
  • PC機器
  • オフィス家具
  • 家電製品

などが挙げられます。

  • 会社が所有している資産を売却して、ファクタリング業者に返済する
  • 経営者個人が所有している資産を売却して、売却金を会社に貸付て、ファクタリング業者に返済する

という方法がとれるので、資産は、会社のものでも、経営者個人のものでも構いません。

対策その6.リースバックを利用する

固定資産を売却したくても、その資産がなくなると、会社を営業することができなくなる

というケースでも、リースバックを利用すれば売却することができます。

リースバックとは
固定資産を売却して、その売却した資産をリースという形で借りること

を言います。

  • 自社ビルを売却して、そのビルに賃貸として入る
  • 社用車を売却して、その車をリースとして借りる
  • 機械設備を売却して、その機械設備をリースとして借りる

ことになれば、利用状況は変わらないので、営業に支障が出ることがあります。

その上で、売却資金を確保することができます。

毎月、リース料の支払いは発生しますが、まとまった資金が手に入るため、資金繰りは大分楽になります。ファクタリング業者に返済する資金をねん出するのも、難しくないはずです。

対策その7.会社の事業を売却する

売れる固定資産がない場合には「事業を売却する」という選択肢もあります。

M&Aでは、会社を売却するだけではなく、事業だけを売却することができるのです。

事業を売却することで

  • まとまった資金が手に入る
  • その事業に必要なコストが不要になる

ため、今後の、資金繰りが大幅に改善する可能性もある有効な方法です。

ただし、注意しなければならないのは、M&Aには時間がかかるということです。

ファクタリング業者に返済するために早期の売却をするためには

  • 相場よりも、かなり安い価格で譲渡先を見つける
  • 知り合いに買ってもらう

必要が出てきます。

事業売却は、スピード感を持って行わないと、返済に間に合わないのです。

対策その8.取引先に前払いをお願いする

キャッシュリッチな取引先が要る場合には、「通常の支払いサイト(末締め翌月末支払い、末締め翌々月末払い、手形払い)」から「前払い」に変更してもらうことで、早期の入金を促し、ファクタリング業者に返済する資金とすることが可能です。

売掛先も資金繰りに困っていれば、キャッシュが出ていく「前払い」に応じてもらうことは非常に難しいのですが

資金繰りに困っていないキャッシュリッチな売掛先であれば「値引き」「サービスの強化」を行うことで、一時的であれば「前払い」に応じてくれる可能性もあります。

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「支払いに困っているため、申し訳ございませんが、来月の受注分のみ、前払い対応していただけないでしょうか?応じていただければ、請求額は3割安くします。」

と、交渉して、資金を先に確保するのです。

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取引先の状況、取引先との関係値、取引先に与えるメリット(「値引き」「サービスの強化」)次第で十分に交渉が成立する可能性があります。

対策その9.原因が売掛先の入金遅延だった場合、早期回収に努める

ファクタリング業者に返済する資金を別の支払いに使わざるを得なかった理由が、別の売掛先の入金遅延だった場合は、その早期回収を行うことで、ファクタリング業者に返済する資金を確保できます。

入金遅延した売掛先に

  • しつこく、入金を促す
  • 内容証明で訴訟をにおわせる
  • 一部でも、入金をしてもらう

など、回収を確実に行う必要があります。

対策その10.新規の顧客開拓を行い、売上を積みます

新規の顧客開拓がスピーディーにできるかは、業態によって異なりますし、通常は、新規開拓には時間がかかるものです。

しかし、売上を積み上げることができれば、その積み上げ分をファクタリング業者に返済する資金にすることが可能です。

飛び込みのような営業スタイルでは、なかなかスピーディーに新規開拓はできませんので

  • 経営者の友人・知人に売り込む
  • 現在、興味を示しているけれども、受注に至っていない顧客に値下げして売り込む

など、トップ営業で売上を積み上げることが重要です。

通常しない割引などを行い、顧客メリットを最大化したうえで、すでに関係がある顧客へ、トップ営業を行い、売上を積上げましょう。

対策その11.不要なコストを削減する

売上が横ばいであったとしても、不要なコストを削減できれば、キャッシュフローがプラスになり、ファクタリング業者に返済する資金を用意することができます。
  • 不要な人員の整理
  • 不要な外注費の整理
  • 不要なサービスの解約
  • より料金が安いものへの切り替え

を行うことで、大幅なコスト削減を実現し、来月のキャッシュフローを改善することで、ファクタリング業者に返済することが可能になります。

ファクタリングで返済できない状態にならないためにすべきこと

teacher
そもそも、ファクタリング業者に返済できない状態になること自体が良くないことです。

前述した通りで、本来はファクタリングに「返済」という概念はなく、売却した売掛金を使いこんではいけないものなのです。

しかし、ファクタリングで返済できない状態になることは少ないことではありません。

なぜかというと

ファクタリングは、手数料が高いから

です。

どんなに高いビジネスローンであっても、100万円以上の借入の場合は、利息制限法で「年率15%以内」に金利は設定されます。

しかし、ファクタリングの場合は、「貸付」でないため「利息制限法」には該当せず、ファクタリング業者が自由にファクタリング手数料を決めることができるのです。

  • ファクタリング手数料:10% → 年率:120%
  • ファクタリング手数料:15% → 年率:180%
  • ファクタリング手数料:20% → 年率:240%
  • ファクタリング手数料:25% → 年率:300%
  • ファクタリング手数料:30% → 年率:360%

です。

  • ビジネスローン 年率:15%以下

であることを考えれば、恐ろしく割高な手数料の資金調達方法なのです。

このファクタリングを何度も、継続的に利用していれば、当然のように資金繰りが悪化し、返済できなくなってしまうのです。
  • ファクタリング手数料の高いファクタリング業者に依頼する
  • ファクタリングを来月も、再来月も、と継続的に利用する

ことをしてしまうと、どんなに優良企業であっても、資金繰りはどんどん悪化してしまうのです。

ファクタリングで返済できない状態にならないためには

  • ファクタリング手数料の安いファクタリング業者を利用する
  • 複数のファクタリング業者に相見積もりして、ファクタリング手数料が一番安いファクタリング業者を利用する
  • ファクタリングを2回、3回と継続的に利用しない

ということが重要になります。

ファクタリングは

  • 審査不要
  • 即日買取可能
  • 借入ではないため、BSが汚れない

というメリットがある使い勝手の良い資金調達方法ではありますが

その分

  • 年率換算したときに負担するコストが非常に高い
  • 来月の売掛金を譲渡すると、来月も資金繰りが苦しくなり、継続的に利用せざるを得ない状態になりやすい

というデメリットもある資金調達方法ですので、注意しながら利用しないと、ファクタリング業者に送金すべき売掛金を使い込みたくなくても、他の支払いに使わざるを得ない状態になりやすいのです。

teacher
ファクタリングのメリットデメリットを正確に把握したうえで、利用することが重要です。

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