リバースファクタリングとは?リバースファクタリングの仕組み、メリットデメリット

man
「リバースファクタリングって何ですか?」
「通常のファクタリングとは何が違うのでしょうか?」
「リバースファクタリングでおすすめのファクタリング業者は?」

ファクタリングの中でも、珍しいサービスに「リバースファクタリング」というものがあります。今回は、リバースファクタリングの仕組み、メリットデメリットについて解説します。

目次

リバースファクタリングとは?

リバースファクタリングとは

外注を使う企業が、外注先(下請け)への「買掛金支払いの短縮化」のために利用するファクタリングサービスのこと

を言います。

これだけでは、よくわからないと思いますので例を挙げて説明します。

外注を使う企業が外注先へ費用を支払う場合に「末締め翌月末支払い」「末締め翌々月末支払い」などの支払いサイトを利用することが一般的です。

  • 1月1日 発注元企業 → 外注先企業へ仕事の依頼
  • 1月10日 外注先企業が発注元企業へ商品やサービスの納品
  • 1月31日 売上確定
  • 2月初旬 外注先企業が発注元企業へ請求書(末締め翌々月末支払い)を発行
  • 2月初旬 発注元企業が請求書を受理
  • 4月30日 発注元企業が請求書に基づいて、外注先企業に支払い

1月10日に商品やサービスを納品しても、4月30日に入金されるのですから、約80日は売掛金が現金化されないのです。

通常のファクタリングでは

外注先企業が

man
「これでは資金繰りが悪化してしまうので、ファクタリング会社へ依頼して、売掛金を買い取ってもらって早期現金化しよう。」

とファクタリング業者に依頼します。

これは「通常のファクタリング」です。

リバースファクタリングでは

発注元企業が

staff
「この支払い条件では、優秀な外注先企業が見つけれれない。」
「とはいえ、うちの支払いサイトを短くするのは、資金繰りが悪化するのでできない。」

という状況の時に

staff
「ファクタリング会社に依頼して、外注先企業への買掛金の早期支払をしてもらう。」

というのが「リバースファクタリング」です。

つまり、

  • 通常のファクタリング:外注先企業(下請け)が依頼するもの
  • リバースファクタリング:発注元企業(クライアント)が依頼するもの

という違いがあるのです。

通常のファクタリングサービスとリバースファクタリングの違い比較

項目 通常のファクタリング リバースファクタリング
依頼する企業 商品やサービスを納入する企業 外注先企業に発注する企業
対象の債権 売掛債権(売掛金) 買掛債権(買掛金)
手数料負担 商品やサービスを納入する企業 商品やサービスを納入する企業
買取スピード 1日~3日 1日~3日
ファクタリング業者の支払い先 商品やサービスを納入する企業 商品やサービスを納入する企業

リバースファクタリングの仕組み

  1. 外注元企業:仕事の依頼
  2. 外注先企業(下請け):商品やサービスの納品
  3. 外注先企業(下請け):請求書の発行
  4. 外注元企業:受け取った請求書をファクタリング業者へ提出
  5. ファクタリング業者:請求書の受理
  6. ファクタリング業者:請求書の金額から手数料を除いた金額を外注先企業(下請け)へ1日~2日で支払い
  7. 外注元企業:支払いサイトの期日通りにファクタリング業者に請求書の金額を入金

解説

リバースファクタリングでは

外注元企業が、外注先企業(下請け)から受け取った請求書をファクタリング業者に提出することで、ファクタリング業者が請求金額から手数料を除いた金額を外注先企業(下請け)に、1日~2日で支払う仕組みとなっています。

外注元企業は、その後、通常の支払いサイトの買掛金の入金期日になったら、ファクタリング業者に請求金額と同額を支払うことになります。

  • 外注先企業(下請け) → 通常よりも早く入金される
  • 外注元企業 → 通常の期日通りに支払うだけで、外注先企業(下請け)のメリットにつながる

というメリットがあることになります。

注意しなければならないのは

ファクタリング手数料を支払うのは「外注先企業(下請け)」側

という点です。

teacher
外注元企業が依頼したのに手数料分を負担するのは(発注額の値上げがなければ)「外注先企業(下請け)」側ですので、「支払いサイトの短縮化」と「入金額の減額」どちらを取るのかの選択を迫られることになります。

リバースファクタリング外注元企業側のメリット

メリットその1.支払い条件が改善することで優秀な外注先を確保できる

外注先企業(下請け)にとっては

  • 請求後1日~2日で資金化できる取引先
  • 請求後60日で資金化できる取引先

では、金額が同じであっても、当然前者の方の仕事を優先的に考えます。

支払いサイトが短ければ短いほど、資金繰りが改善するからです。

staff
「優秀な外注先を確保したい。」

という場合には、支払いサイトを短縮化できる「リバースファクタリング」のメリットがあるのです。

メリットその2.費用は発生しない

基本的にリバースファクタリングでは

  • 外注先企業(下請け) → ファクタリング手数料を支払う
  • 外注元企業 → 費用は発生しない

という仕組みになっています。

外注元企業にとっては無料で利用できる仕組みとなっています。

メリットその3.プロジェクトごとの発注も可能

すべての支払いをリバースファクタリングで早期支払いに変えることもできますし、プロジェクト単位で、リバースファクタリングを行うことも可能です。

費用負担をするのは「外注先企業(下請け)」ですから、プロジェクトごとに管理できるため

  • 優秀な外注先を確保しなければならないときに利用する
  • プロジェクトのはじめから一斉に導入する

ことができる方が使い勝手が良いのです。

teacher
毎月の支払いを途中から変更することになると、足並みをそろえられない可能性も高いのです。

メリットその4.支払い先をファクタリング業者に一本化することでコスト削減が可能

仮にすべての外注先企業(下請け)がリバースファクタリングを利用してくれるのであれば

振込は一本化できます。

  • 振込手数料
  • 振込作業にかける事務作業のコスト

を軽減することができます。

リバースファクタリング外注元企業側のデメリット

デメリットその1.外注先企業(下請け)の手数料負担が発生する

前述した通りで、リバースファクタリングで費用を支払うのは「外注先企業(下請け)」です。

外注先企業(下請け)は

  • 今の支払いサイトのままで良い → リバースファクタリングを使わない
  • 今の支払いサイトよりも早く資金化したい → リバースファクタリングを手数料を支払って利用する

という選択肢があるのですが

優秀な外注先の場合は、交渉力も高いので

man
「ファクタリング手数料分、発注金額を上げてくれないと仕事受けませんよ。」

と、値上げ交渉のきっかけになりかねないのです。

これは外注元企業としての、リスク・デメリットになります。

リバースファクタリング外注先企業(下請け)側のメリット

メリットその1.資金繰りが楽になる

当然ですが、リバースファクタリングを利用すれば

  • 末締め翌月末支払い → 1日~2日支払い:約30日資金繰りが楽になる
  • 末締め翌々月末支払い → 1日~2日支払い:約60日資金繰りが楽になる

となるため、資金繰りの改善という意味では、大きなメリットがあります。

メリットその2.ファクタリング手数料は比較的安い

リバースファクタリングでは、外注元企業(クライアント)がファクタリングを理解して、ファクタリング業者に依頼している側ですので

ファクタリング手数料の高い2社間ファクタリングではなく、ファクタリング手数料の安い3社間ファクタリングに分類されます。

負担する手数料で言えば

  • 2社間ファクタリング:10.0%~20.0%
  • 3社間ファクタリング:3.0%~5.0%

と、2社間ファクタリングを利用するよりは、格安のファクタリング手数料で、資金繰りの改善ができるのです。

リバースファクタリング外注先企業(下請け)側のデメリット

デメリットその1.ファクタリング手数料が発生する

リバースファクタリングの費用を支払うのは「外注先企業(下請け)」です。

そのため、資金繰りは改善される反面、入金される金額は手数料分少なくなってしまうデメリットがあります。

リバースファクタリングのおすすめファクタリング業者

ビートレーディング「Beトレペイメント(買掛金先払いサービス)」

Beトレペイメント(買掛金先払いサービス)

事業拡大にあたり新しい下請け会社やパートナー企業を募集しているが、現状の支払いサイトではなかなか集まらないなどの悩みを抱えている企業様に是非お勧めしたい新サービス

Tranzax株式会社「リバースファクタリング」

  • 買掛金の支払いサイトを先延ばしにする方法
  • 買掛金の支払いサイトを変えずに外注先企業(下請け)の支払いサイトを短くする方法

の両方が選択できます。

リバースファクタリングを提供するファクタリング業者が少ない理由

前述した通りで、リバースファクタリングを提供するファクタリング業者は、1社~2社しかありません。

なぜかというと、リバースファクタリングは結局、外注先企業(下請け)の支払いサイトの短縮化による資金繰りの改善であって、外注元企業(クライアント)が発注する必然性に乏しいからです。

staff
支払いサイトが長いと、優秀な外注先を確保できない

という場合に、リバースファクタリングは利用されるものなのですが

「支払いサイトで改善する」よりも、「発注金額を上げる」というわかりやすい対応をするケースが多く、リバースファクタリングは、なかなか選択肢に挙がってこないのです。
man
「支払いサイトが短縮化されても、その分、入金額が減ってしまうので意味がない。」

と考える外注先企業(下請け)も多いのです。

teacher

そのため、需要が少なく、提供しているファクタリング業者も多くないのです。

また、仕組みとして3社間ファクタリングであり、外注先企業(下請け)との交渉、取りまとめも必要になってくるため、小規模なファクタリング業者では、なかなか手を出せないというのが現状です。

結果的に、1社、2社しかリバースファクタリングを取り扱っていないのです。

まとめ

リバースファクタリングとは

  • 外注を使う企業が、外注先(下請け)への「買掛金支払いの短縮化」のために利用するファクタリングサービスのこと

を言います。

通常ファクタリングを依頼する側である「外注先(下請け)」ではなく、仕事を発注する側の「外注元企業」が依頼するファクタリングサービスであるため「リバース(逆の)」ファクタリングと呼ばれているのです。

リバースファクタリング外注元企業側のメリット

  1. メリットその1.支払い条件が改善することで優秀な外注先を確保できる
  2. メリットその2.費用は発生しない
  3. メリットその3.プロジェクトごとの発注も可能
  4. メリットその4.支払い先をファクタリング業者に一本化することでコスト削減が可能

リバースファクタリング外注元企業側のデメリット

  1. デメリットその1.外注先企業(下請け)の手数料負担が発生する

リバースファクタリング外注先企業(下請け)側のメリット

  1. メリットその1.資金繰りが楽になる
  2. メリットその2.ファクタリング手数料は比較的安い

リバースファクタリング外注先企業(下請け)側のデメリット

  1. デメリットその1.ファクタリング手数料が発生する
teacher
いろんなメリットデメリットがあるため、なかなか普及せずに、採用しているファクタリング業者も少ないファクタリングサービスとなっています。他の選択肢がないか、十分に検討してから利用することをおすすめします。

また、ファクタリング業者は、優良業者を利用するようにこころがけましょう。

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