ファクタリングの種類

医療ファクタリングとは?診療報酬債権を資金化する仕組み

医療機関の収入は、審査支払機関を経由して支払われるため入金までに時間があります。その構造と、報酬債権を対象にした資金化の位置づけを公的資料で確認します。

医療ファクタリングは、医療機関が持つ報酬債権を対象にした資金化を指します。一般の売掛債権と違うのは、支払う相手が取引先ではなく、審査支払機関を通じた仕組みである点です。

国民健康保険中央会は、保険医療機関が保険者へ直接請求するのではなく、審査支払機関(国保の場合は国民健康保険団体連合会)に請求できる仕組みであり、審査支払機関が保険者に代わって審査を行い、保険医療機関への支払まで実施すると説明しています。

なぜ入金までに時間があるのか

社会保険診療報酬支払基金は、保険医療機関が電子レセプトをオンラインにより診療翌月の10日までに提出し、受付・事務点検・審査・計数整理・請求・支払という順で業務が進むと説明しています。

診療、レセプトを翌月10日までに提出、受付と事務点検、審査、請求と支払という工程を並べた図
図1:レセプト提出から支払いまでの工程社会保険診療報酬支払基金「診療報酬の審査・支払業務の流れ」(2026年8月18日確認)

診療した月と、入金される月がずれる——この構造が、医療機関の資金繰りの前提になります。

対象になるのは「報酬債権」

一般のファクタリングが売掛債権を扱うのに対し、医療機関の場合は診療報酬・介護報酬などの報酬債権が対象になります。

支払う相手、金額の確定、審査の有無という観点で、一般の売掛債権と報酬債権の違いを並べた表
図2:一般の売掛債権との違い支払基金・国民健康保険中央会の説明(2026年8月18日確認)をもとに作成

支払う相手が審査支払機関であるため、取引先の倒産リスクという観点は一般の売掛債権と異なります。ただし、審査によって請求額が査定されることはあります。

審査で減額されることがある

支払基金は、審査委員会が療養担当規則や診療報酬点数表等の国が定めた保険診療ルールに則って行われているかを審査し、適切でないと判断されるものは査定し、判断し難いものは医療機関に返戻して再提出を求めると説明しています。

つまり、請求額がそのまま確定するとは限りません。資金化を検討する場合、この点の扱いを契約で確認してください。

確認する項目

医療機関が検討する場合の確認点です。

査定や返戻時の扱い、対象になる報酬債権の範囲、差し引かれる金額、買戻しの定めという4項目のチェックリスト
図3:医療機関が確認する項目支払基金の説明・金融庁の注意喚起(2026年8月18日確認)をもとに作成

診療報酬に特化した内容は診療報酬ファクタリング、介護報酬は介護報酬ファクタリングで扱います。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。