3社間の仕組みは、債権の移転と、支払先の変更が同時に成立する点にあります。売掛先が手続きに関わるため、「誰に払えばよいか」が明確になります。
ただし、売掛先は単に支払先を変えるだけの立場ではありません。民法は、譲渡された後でも売掛先が主張できることを定めています。ここを理解しておくと、審査で何を確認されるのかが分かります。
3者の関係を整理する
それぞれの立場と、負っているものを並べます。
売掛先は「抗弁」を主張できる
民法第468条第1項は、債務者は、対抗要件具備時までに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる、と定めています。
たとえば、納品に問題があって代金を減額する話になっていた場合、その事情は譲受人(ファクタリング会社)に対しても主張できます。債権は、そのままの状態で移るということです。
相殺についての定めもある
民法第469条第1項は、債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができる、としています。
売掛先が自社に対して別の債権を持っている場合、それを使った相殺を主張できる場合があるということです。取引が相互にある相手ほど、この点が確認されます。
だから審査で取引の中身が見られる
3社間で売掛先に確認するのは、支払意思だけではありません。上記のような主張が起きないかも含めて、債権が予定どおり支払われるかを確かめています。
そのため、申込みの際は納品や検収を示す資料が求められます。売掛先との間で値引きや返品の話が進行している場合は、隠さず伝えてください。
登記との関係
法務省は、債権譲渡登記がされた場合において、譲渡人もしくは譲受人が債務者に登記事項証明書を交付して通知をし、または債務者が承諾をしたときは、債務者についても確定日付のある証書による通知があったものとみなされると説明しています。
この記事の出典
手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。
- e-Gov法令検索「民法」(第467条・第468条・第469条) 公的機関 / 確認日 2026年8月18日
- 法務省「第1 債権譲渡登記制度とは?」 公的機関 / 確認日 2026年8月18日