融資との違い

ファクタリングに保証人は必要?借入との違いを解説

債権の売買に連帯保証は伴いませんが、表明保証という別の条項があります。金融庁が紹介する事案では、表明保証が保証に等しいと判断された例もあることを確認します。

債権の売買である以上、返済のための連帯保証人という考え方は出てきません。返す義務がないところに保証は要らないためです。

ただし、契約書には「表明保証」という別の条項が入ることがあります。名前が似ていますが、意味が違います。そして、この条項の書き方によっては、実質的に保証を求めているのと同じだと判断された事案があります。

連帯保証と表明保証は別物

まず、2つの言葉を区別します。

  • 連帯保証:債務者が支払わない場合に、代わりに支払う約束
  • 表明保証:契約時点で、示した事実が真実であると表明し、責任を負う約束
連帯保証は支払わない場合に代わりに支払う約束、表明保証は示した事実が真実であるという約束という違いを並べた表
図1:連帯保証と表明保証の違い契約条項の性質を整理した図(金融庁の注意喚起の記載を参照)

表明保証の対象になるのは、たとえば「その債権が実在すること」「二重に譲渡していないこと」といった、売主にしか分からない事実です。これ自体は売買契約で一般的なものです。

表明保証が「保証に等しい」と判断された事案

金融庁は、ファクタリングとして行われた取引が貸金業に該当するかなどの判断がされた事案を紹介しています。その中に、次のようなものがあります。

ノンリコースの規定があるものの、不払いの兆候がないことを売主が表明保証しており、保証を求めているのに等しいとして金銭消費貸借契約に該当すると判断された事案を示したケース図
図2:表明保証の内容から、金銭消費貸借契約に該当すると判断された事案金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」で紹介された事案(東京地裁令和4年3月4日判決/2026年8月18日確認)

ノンリコースの規定は設けられているものの、抗弁事由が存在しないこと、支払い停止の状態にないこと、破産手続開始原因が存在しないことなど、債務者における不払いの兆候等がないことについて売主が表明保証することとされており、売主に債務の保証を求めているのに等しいといった事情等を考慮して、金銭消費貸借契約に該当すると判断された事案(東京地裁令和4年3月4日判決)です。

つまり、表明保証の内容次第で、契約の性質そのものが変わりうるということです。

契約書で見る場所

保証に関する条項は、次の観点で読んでください。

表明保証の対象、違反した場合の効果、連帯保証の有無、代表者個人の関与という4項目のチェックリスト
図3:保証に関する条項の読み方金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」(2026年8月18日確認)をもとに作成

保証人を求められたら

事業者向けのファクタリングで、代表者個人の連帯保証を求められた場合は、その理由を確認してください。返済の担保が必要な契約になっていないか、という視点です。

金融庁は、少しでも心配な点があれば、法律の専門家である弁護士に相談するなど、違法な取引が行われないよう留意するよう促しています。

担保の要否は担保は必要?、契約の性質はファクタリングは借金?で扱います。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。