手形・手形割引との違い

ファクタリングと手形の違い|売掛債権による資金調達を比較

手形は支払手段、ファクタリングは資金化の手段です。役割が違うため対立しません。取適法で手形払いが禁止された点も含めて、両者の位置づけを整理します。

手形とファクタリングは、そもそも役割が違います。手形は代金を支払うための手段、ファクタリングは受け取る予定の代金を早く現金にするための手段です。

比べるとすれば「手形を受け取ったあとの資金化(手形割引)」と「売掛債権の資金化(ファクタリング)」です。手形そのものと比べる場面は多くありません。

立ち位置を整理する

役割の違いを図にすると、混同しなくなります。

支払手段として手形や振込があり、その後に受け取ったものを資金化する手段として手形割引やファクタリングがあることを積み上げた図
図1:支払手段と、資金化の手段は別の層にある公正取引委員会の公表資料・手形法(2026年8月18日確認)をもとに作成

手形を受け取ると何が起きるか

手形を受け取った側は、満期まで待つか、割り引いて早く資金化するかを選びます。ただし、手形法第43条により、満期に支払がないときは所持人が裏書人などに遡求権を行使できます。同法第77条で約束手形にも準用されます。

満期まで待つか割り引いて資金化するかという選択肢と、割り引いても遡求のリスクが残ることを対比した図
図2:手形を受け取った側に残るもの手形法第43条・第77条(e-Gov法令検索・2026年8月18日確認)

つまり、割り引いても不払いのリスクが完全に離れるとは限りません

取適法で支払手段の扱いが変わった

公正取引委員会は、取適法により、支払手段として手形払いを禁止し、電子記録債権やファクタリングについても、支払期日までに代金に相当する金銭(手数料等を含む満額)を得ることが困難であるものについては禁止する、と説明しています。

ここでいうファクタリングは、委託事業者が代金の支払手段として使う場合です。受注側が自ら売掛債権を売る取引とは立場が異なります。

どちらの話をしているのかを確認する

「手形とファクタリングはどちらがよいか」という問いは、次のどちらかに置き換えると答えが出ます。

  • 支払う側の話:どの支払手段を使うか(取適法の規制を確認する)
  • 受け取る側の話:手形割引と売掛債権の資金化のどちらを使うか
支払う側は支払手段の規制、受け取る側は資金化の手段と負担を確認するという整理を示したチェックリスト
図3:立場ごとに確認すること公正取引委員会「取適法・振興法」(2026年8月18日確認)をもとに作成

受け取る側として比べる場合

比較の観点は、対象物・不払いの負担・費用の3点です。詳細は手形割引との違いにまとめています。手形と売掛金そのものの違いは売掛金と手形の違いで扱います。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。