手形・手形割引との違い

売掛金と手形の違いとは?回収方法と資金化の違いを解説

売掛金は請求権そのもの、手形は支払いのために振り出される証券です。回収方法、支払われなかった場合の扱い、資金化の手段がどう変わるのかを条文で確認します。

売掛金は代金を請求できる権利そのもの、手形はその支払いのために振り出される証券です。手形を受け取っても、代金の支払いが済んだわけではありません。満期に支払われて初めて完了します。

受け取ったあとの扱いは、この違いから分かれます。

移転の仕方が違う

権利を他人へ移すときの手続きが異なります。

売掛金は通知や承諾で対抗要件を備え、手形は裏書で譲り渡すという違いを並べた表
図1:売掛金と手形で、移転の手続きが違う民法第467条・手形法(2026年8月18日確認)

民法第467条第1項は、債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、または債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができないと定めています。売掛金を譲渡する場合はこの手続きが必要です。

支払われなかった場合

手形法第43条は、満期において支払がないときは、所持人は裏書人、振出人その他の債務者に対して遡求権を行うことができるとしています(第77条により約束手形に準用)。裏書して譲り渡した側にも請求が及びうるという構造です。

手形では裏書人へ遡求されうる一方、売掛債権の譲渡では買戻しの定めがなければ譲受人が負担することを対比した図
図2:支払われなかったときの違い手形法第43条・第77条、民法(2026年8月18日確認)

売掛金の譲渡では、買戻しの定めがなければ、不払いの負担は譲受人が負います。ここが構造的な違いです。

資金化の手段が違う

手元にあるものによって、選べる手段が決まります。

  • 手形 → 手形割引
  • 売掛金(売掛債権) → ファクタリング、債権を担保にした融資

どちらも「期日前に資金にする」点は同じですが、負担の残り方が違います。

実務で確認すること

自社がどちらを持っているかを整理すると、次の判断が早くなります。

受け取ったものの種類、支払期日、資金化の必要性、不払い時の負担という4項目のチェックリスト
図3:手元のものを整理する4項目民法・手形法(2026年8月18日確認)をもとに作成

なお、支払手段としての手形は縮小が進んでいます。制度の動きは手形利用の縮小、資金化の比較は売掛債権と手形割引の違いで扱います。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。