手形・手形割引との違い

売掛債権のファクタリングと手形割引の違いをわかりやすく解説

対象物、対抗要件の備え方、不払い時の負担という3点で違いが出ます。民法と手形法それぞれの定めを並べ、契約前に確認する項目を整理します。

売掛債権の資金化と手形割引は、根拠になる法律が違います。売掛債権は民法、手形は手形法です。この違いが、手続きと負担の差につながります。

法律ごとの定め

それぞれの根拠を並べます。

売掛債権の譲渡は民法466条と467条、手形は手形法43条と77条が根拠になることを並べた表
図1:根拠になる条文を並べる民法・手形法(e-Gov法令検索・2026年8月18日確認)

民法第466条第1項は「債権は、譲り渡すことができる。」と定め、第467条第1項は、譲渡人が債務者に通知をし、または債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができないとしています。

手形法第43条は、満期において支払がないときは、所持人は裏書人、振出人その他の債務者に対して遡求権を行うことができるとしています(第77条により約束手形に準用)。

手続きの重さが違う

売掛債権の譲渡では、対抗要件を備えるために通知・承諾、または(法人の場合)債権譲渡登記が必要になります。法務省は、登記により民法第467条の確定日付のある証書による通知があったものとみなされると説明しています。

譲渡契約、通知または承諾、確定日付または登記という順で対抗要件を備える手順を示した図
図2:売掛債権を譲渡するときの手順民法第467条・法務省の債権譲渡登記の説明(2026年8月18日確認)

手形は、裏書という定型的な方法で譲り渡せます。手続きの型が用意されている分、移転そのものは簡素です。

不払い時の負担

ここが実務上いちばん重要です。手形割引では遡求が制度に組み込まれています。売掛債権の譲渡では、買戻しの定めがなければ負担は買主に移ります。

同じ「早く現金にする」でも、後に残るものが違うということです。

契約前に確認する項目

どちらを使う場合も、次を確認してください。

不払い時の負担、差し引かれる金額、手続きに必要な書類、相手の確認という4項目のチェックリスト
図3:どちらを使う場合も確認する項目民法・手形法・金融庁の注意喚起(2026年8月18日確認)をもとに作成

選び方は手形割引とファクタリングはどっちがいい?、遡求の詳細は手形割引の償還請求権で扱います。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。