手形・手形割引との違い

手形利用の縮小でファクタリングはどう変わる?違いを整理

取適法では支払手段としての手形払いが禁止され、電子記録債権やファクタリングにも条件が付きました。制度の変更点と、資金調達側への影響を公表資料で確認します。

支払手段としての手形は、制度の側から縮小が進んでいます。公正取引委員会は、取適法により、支払手段として手形払いを禁止し、電子記録債権やファクタリングについても、支払期日までに代金に相当する金銭(手数料等を含む満額)を得ることが困難であるものについては禁止する、と説明しています。

また、振込手数料についても中小受託事業者に負担させることを禁止するとしています。

制度の変化を時系列で見る

段階的に進んできた経緯を整理します。

令和6年11月のサイト60日超の指導開始と、令和8年1月の取適法施行による手形払いの禁止を時系列に並べた図
図1:支払手段に関する制度の変化公正取引委員会の公表資料(2026年8月18日確認)

「ファクタリングも禁止」の意味

ここで注意が必要です。禁止の対象になっているのは、委託事業者が代金の支払手段としてファクタリングを使う場合で、支払期日までに満額を得ることが困難なものです。

委託事業者が支払手段として使う場合は規制の対象になる一方、受注側が資金調達のために債権を売ることは別であることを対比した図
図2:禁止の対象になるのは、どの立場か公正取引委員会「取適法・振興法」(2026年8月18日確認)

受注側の事業者が、自分の判断で売掛債権を売って資金調達すること自体を禁じたものではありません。立場が逆であることを混同しないでください。

受け取る側への影響

手形での支払いが減れば、受け取る側は次のように変わります。

  • 手形を受け取らなくなるため、手形割引を使う場面が減る
  • 支払いが現金や振込になれば、資金化の必要そのものが減る場合がある
  • 電子記録債権で受け取る場合は、その資金化を検討することになる

つまり、手形割引の出番が減り、売掛債権や電子記録債権の扱いが中心になる方向です。

今後の確認事項

制度は変更されます。当サイトでは、この分野を90日周期で再確認します。次の点を確認してください。

自社の取引が対象か、受け取る支払手段の変化、資金化の必要性、相談窓口という4項目のチェックリスト
図3:制度の変更に合わせて確認すること公正取引委員会の公表資料(2026年8月18日確認)をもとに作成

自社の取引が取適法の対象になるかは、取引の内容と事業規模の基準によります。判断に迷う場合は、公正取引委員会や中小企業庁の相談窓口へ確認してください。

支払サイトの制限は支払サイト、電子記録債権の扱いはでんさいとの違いで扱います。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。