売掛金・売掛債権

売掛金の支払サイトとは?資金繰りへの影響をわかりやすく解説

支払サイトは、納品から入金までの期間です。取適法が定める60日以内の支払期日や、手形等のサイトに関する指導基準を公正取引委員会の資料で確認します。

支払サイトとは、納品してから代金が入金されるまでの期間のことです。この期間が長いほど、その間の支払いを自己資金でまかなう必要があり、資金繰りは苦しくなります。

支払サイトは当事者の取り決めで決まりますが、取引によっては法律上の制限があります。ここでは公正取引委員会が公表している内容を確認します。

取適法の対象取引では60日以内

公正取引委員会は、取適法(令和8年1月1日に下請法から改称)の禁止行為として、委託事業者が物品等を受領した日(役務提供委託の場合は役務が提供された日)から起算して60日以内に定めた支払期日までに代金を全額支払わないことを挙げています。

物品等を受領した日から起算して60日以内に定めた支払期日までに代金を全額支払う必要があることを時間軸で示した図
図1:受領日から支払期日までの制限公正取引委員会「委託事業者の禁止行為」(取適法/2026年8月18日確認)

つまり、対象になる取引では、支払サイトを自由に長くできません。自社の取引が対象になるかは、取引の内容や事業規模の基準によります。

手形等のサイトにも指導基準がある

公正取引委員会は、令和6年11月1日以降、親事業者が下請代金の支払手段として、サイト(手形期間または決済期間)が60日を超える長期の手形等を交付した場合、割引困難な手形の交付等に該当するおそれがあるとして指導する方針を公表しています。

対象には手形のほか、一括決済方式や電子記録債権が含まれます。

支払手段そのものの規制も変わった

公正取引委員会は、取適法により、支払手段として手形払いを禁止し、電子記録債権やファクタリングについても、支払期日までに代金に相当する金銭(手数料等を含む満額)を得ることが困難であるものについては禁止する、と説明しています。

手形払いの禁止、電子記録債権やファクタリングのうち満額を得ることが困難なものの禁止、振込手数料の負担の禁止を並べた表
図2:支払手段に関する規制の整理公正取引委員会「取適法・振興法」(2026年8月18日確認)

ここでいうファクタリングは、委託事業者が代金の支払手段として使う場合の話です。受注側が自ら資金調達のために売掛債権を売る取引とは、立場が異なります。混同しないでください。

支払サイトが長いときにできること

制度上の制限があっても、実際の入金が先であることは変わりません。手元資金が足りない場合の選択肢は次のとおりです。

  • 取引条件の見直しを相談する(協議に応じない一方的な代金決定は禁止行為とされています)
  • 公的な融資・保証制度を検討する
  • 売掛債権を資金化する(費用が発生します)

自社の状況を確認する

まず、次を数字で把握してください。数字がないと、どの手段が合うか判断できません。

取引先ごとの支払サイト、入金までに必要な資金、期日が最も遠い取引、支払手段という4項目のチェックリスト
図3:支払サイトについて数字で把握すること公正取引委員会の公表資料(2026年8月18日確認)をもとに作成

入金前の資金繰りは入金前の資金調達、現金化の手段は売掛金を現金化する方法で扱います。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。