2社間ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社が契約し、売掛先が通常どおり利用者へ支払った後、利用者が契約に沿って回収金を会社へ送金する形があります。「返金」と呼ばれることもありますが、借入返済と同じ意味だと決めつけず、契約上の回収・送金の仕組みを確認します。
2社間の当事者
契約当事者は利用者とファクタリング会社です。売掛先への通知・承諾を行わない形が案内される場合がありますが、会社・契約・例外条件によって異なります。
契約法人、利用者の権限、対象債権の保有者を確認します。
1. 必要額と債権を選ぶ
必要日・必要額を決め、売掛先、請求番号、額面、未入金残額、期日を特定します。取引の実在、履行、未譲渡を資料で確認します。
一部入金、返品、相殺、紛争があれば最新状態を反映します。
2. 公式条件を確認する
対象者、売掛先区分、金額、支払期日、必要資料、通知・登記を公式ページで確認します。2社間という方式名だけで全条件を推測しません。
会社の法人名、所在地、連絡先、公式ドメインも照合します。
3. 申込みをする
申込者、事業、売掛先、請求額、支払期日、希望額、必要日を事実どおり伝えます。同じ債権を複数社へ重複契約しません。
送信内容、受付番号、日時を保存します。
4. 必要資料を提出する
本人・法人、契約権限、請求書、契約・発注、納品・検収、口座明細等の指定資料を提出します。提出先と必要範囲を確認します。
銀行の暗証番号、パスワード、ワンタイムコードを渡しません。
5. 審査・ヒアリング
申込者、売掛先、債権、過去入金等が確認されます。追加質問は推測で答えず、根拠資料を確認します。
売掛先への直接確認の有無と、例外時の連絡条件を聞きます。
6. 見積りを確認する
買取対象額、手数料その他費用、差引受取額、振込予定日を確認します。同じ条件で相見積りを取る場合、見積りと契約済みを台帳で区別します。
率だけでなく受取額と契約後の送金作業を比べます。
7. 契約書を確認する
対象債権、買取額、全控除、回収金の受取人、送金期限・口座、通知・登記、買戻し・保証・違約金を読みます。
金融庁の注意喚起を参照し、実質的な貸付けのおそれがある条件に注意します。
8. 契約を締結する
署名・押印者の権限、契約成立時点、キャンセル、完成版を確認します。債権台帳を契約済みに更新します。
契約後に同一債権を別社へ申し込みません。
9. 買取代金を受け取る
予定日に、契約法人名義、差引受取額が正しいかを口座明細で確認します。不一致は公式窓口へ連絡します。
受取額と将来入金減少を資金繰りへ反映します。
10. 会計・社内管理を更新する
契約日、譲渡額、費用、受取額、入金日、回収後送金の期限を記録します。具体的な仕訳は税理士等へ契約を示して確認します。
営業・経理・承認者へ必要な情報を共有します。
11. 売掛先からの入金を待つ
売掛先は通常の請求条件に沿って利用者へ支払う形があります。入金予定口座、名義、期日を登録し、回収日まで管理します。
売掛先へ別の口座変更を勝手に案内しません。
12. 回収金を識別する
入金日、名義、金額、請求番号を照合します。同一売掛先から複数請求が合算された場合、対象債権分を確認します。
推測で配分せず、内訳を売掛先と契約先へ確認します。
13. 契約先へ送金する
契約で定めた金額を期限内に指定法人名義口座へ送金します。担当と承認者を分け、契約番号、額、口座を確認します。
回収金を他の支払いへ流用しません。
「返金」という言葉の注意
利用者が回収後に会社へ送金する資金を「返金」と呼ぶ説明がありますが、借入金の元利返済と同一と決めつけません。契約上の債権譲渡・回収代行の関係を読みます。
資金の法的性質が分からなければ契約先や専門家へ確認します。
送金先変更への対応
メールだけの突然の変更指示は、公式窓口へ別経路で照合します。契約法人と口座名義、変更書面を確認します。
不明な個人口座へ急いで送金しません。
金額差・一部入金
一部入金、相殺、値引き、返品があれば、入金額と残額、理由を記録し、契約先へ連絡します。自己資金で当然に不足を補填するかは契約を確認します。
満額回収として虚偽報告しません。
支払遅延
期日に入金がなければ、売掛先へ確認し、遅延理由と次回予定を契約先へ連絡します。売掛先の倒産等を推測だけで断定しません。
買戻し・保証条項と連絡期限を確認します。
精算・完了
送金後、契約先の受領、差額、追加手続がないかを確認します。振込控えを保存し、債権台帳を完了へ更新します。
未譲渡残額、登記、原本返却があれば後処理を続けます。
2社間の流れチェック
債権、申込み、資料、審査、見積り、契約、買取代金、売掛先入金、送金、精算を確認します。基本構造は2社間の流れも参照してください。
債権譲渡登記の有無を確認する
2社間契約でも、債権譲渡登記を利用するかは契約によって異なります。登記の要否、費用負担、必要書類、契約終了後の抹消手続きを見積りと契約書で確認してください。「2社間だから登記はない」と一律に考えることはできません。
登記を行う場合は、対象債権、債務者、譲渡日など申請内容が契約と一致するか確認します。終了時の手続きも含めて、誰がいつ対応するかを書面で残しておくと、後日の確認がしやすくなります。
集金代行の権限を理解する
売掛先から利用会社へ入った代金をファクタリング会社へ送る仕組みは、契約書上の集金・受領に関する条項で定められます。入金されたお金を自由に使えるわけではありません。対象債権の識別方法、送金期限、送金先、振込手数料、遅延時の連絡方法を確認します。
複数の売掛金が同じ口座へ入る会社では、請求番号や入金名義だけでなく、請求額と入金予定日も台帳へ登録します。入金を見逃さないよう、経理担当が不在のときの代替担当も決めてください。
契約違反となる行為を把握する
譲渡済み債権の二重譲渡、虚偽資料の提出、回収金の流用、契約で定めた報告の不履行などは重大な問題になります。禁止事項や期限、損害が発生した場合の条項を、手数料と同じ重要度で読みます。不明な表現は署名前に質問し、回答を保存してください。
契約後に売掛先との取引条件が変わった、請求を取り消した、相殺の連絡を受けた場合も放置せず報告します。債権の状態が変わる情報は、精算完了まで共有する運用が必要です。
申込み撤回と契約解除を分ける
比較中、審査中、契約締結後、入金後では、手続きを止める意味が異なります。いつまで辞退できるか、契約後の解除条件や費用があるかを公式窓口へ確認してください。一般的な通販と同じ感覚でキャンセルできるとは限りません。
契約書を受け取った時点で、債権、買取額、費用、入金口座、回収後の送金方法を再確認します。条件が申込時の理解と異なるなら、署名・送信を進める前に修正を求めます。
精算後の台帳を閉じる
送金を終えたら、振込控えを送るだけでなく、ファクタリング会社側の着金・精算完了を確認します。その回答、契約書、見積書、請求書、入出金明細を案件単位で保存し、債権台帳を「精算済み」にします。
次回利用時に同じ債権を誤って提示しないよう、利用可能な債権一覧から除外します。経理、財務、営業の各担当が同じ状態を参照できる管理方法にすると、二重譲渡や重複申込みの予防につながります。
この記事の出典
手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」 金融庁 / 確認日 2026年8月25日
- 法務省「債権譲渡登記制度」 公的機関 / 確認日 2026年8月25日
- アクセルファクター「2社間ファクタリング」 各社の公式ページ / 確認日 2026年8月25日