ファクタリング利用後に売掛先から売掛金が入金されたら、対象請求、入金名義、金額、日付を確認します。その後の資金移動は契約方式によって異なります。2社間で利用者が回収する契約なら、契約に沿ってファクタリング会社へ送金します。3社間で会社が直接回収する契約なのに利用者へ誤入金された場合は、資金を使わず連絡します。
最初に契約方式を確認する
2社間・3社間という名称だけでなく、契約書に記載された売掛金の受取人、回収方法、送金義務を確認します。同じ方式名でも通知・登記や後工程が同一とは限りません。
完成した契約書、債権明細、見積書を案件台帳と対応させます。
入金口座を確認する
対象売掛金が入る予定の口座、売掛先の振込名義、支払期日を登録します。複数口座がある場合は、どの口座を確認するか担当者へ共有します。
銀行のログイン情報、暗証番号、ワンタイムコードをファクタリング会社へ渡す必要はありません。自社で明細を確認します。
入金日を記録する
契約上の支払期日と実際の着金日を分けて記録します。金融機関休業日による前後、売掛先との期日変更があれば根拠も保存します。
入金通知だけでなく口座明細で着金を確認し、確認日時と担当者を残します。
入金名義を照合する
売掛先の正式名称と振込名義が異なる場合があります。収納代行、親会社、支店名等であれば、契約・過去入金から関係を確認します。
名義が似ているという理由だけで対象債権の回収金と判断しません。不明なら売掛先と契約先へ確認します。
入金額を照合する
請求書額面、譲渡額、未譲渡残額、実際の入金額を比較します。一部買取の場合、入金全額を送金するか、配分・精算方法を契約書で確認します。
入金額を推測で分割せず、請求番号ごとの内訳を確認します。
2社間で回収した場合
利用者が売掛先から回収した後、契約に定められた金額を、指定期限・指定口座へ送金します。回収金を通常売上と混同して別の支払いへ使わないようにします。
送金担当と承認担当を分け、契約番号、金額、口座名義を確認します。
送金期限を確認する
「入金後何日」「当日」等の期限がある場合、具体的な締切時刻、休日の扱いを契約書・公式窓口で確認します。確認できない日数を一般化しません。
支払期日前にリマインダーを設定し、担当者不在時の代理承認者も決めます。
送金先口座を照合する
契約書または正式な案内に記載された法人名義口座かを確認します。メール・チャットだけで突然変更された場合は、公式代表窓口へ別経路で照合します。
不明な個人口座や暗号資産への送金要求に応じません。
振込控えを保存する
振込日、金額、送金元・先名義、承認者、契約番号を記録します。送金後に契約先へ通知が必要かも確認します。
振込予約だけで完了とせず、実行結果と残高を確認してください。
3社間で誤入金された場合
売掛先がファクタリング会社へ直接支払う契約なのに利用者へ振り込んだ場合、資金を使わず契約先へ連絡します。売掛先にも正式な支払先を再案内する手順を確認します。
自己判断で別口座へ転送せず、契約番号と入金情報を示して指示を受けます。
請求書が合算入金された場合
同じ売掛先から対象債権と未譲渡債権が合算入金されることがあります。請求書別の額、対象部分、送金額を整理します。
内訳が不明なら売掛先へ確認し、入金順などの推測で配分しません。
一部入金だった場合
売掛先から一部だけ入金されたら、入金額、残額、次回予定、理由を記録し、契約先へ連絡します。全額回収として処理しません。
分割払いへ変更された場合は、当初条件と変更合意を提出します。
相殺・値引きがあった場合
相殺、返品、値引き、振込手数料控除等で入金額が違う場合、根拠資料と最新残額を確認します。自己資金で当然に差額を補填するかは契約条項を読みます。
変更を隠して満額回収と報告しません。
入金が遅れた場合
期日に着金しなければ、売掛先の状況を推測で断定せず、契約上の連絡手順に従います。遅延理由、連絡日時、売掛先の回答、変更期日を記録します。
金融庁の注意喚起も確認し、売掛先不払い時に自己資金支払いを当然に求める条項がないか見ます。
売掛先が倒産した場合
公表情報、売掛先からの通知、法的手続など確認できる事実を整理し、契約先へ速やかに連絡します。法的判断が必要なら弁護士等へ相談します。
回収不能を隠したり、別債権の入金で埋めたりしません。
会計と債権台帳を更新する
回収日、回収額、送金額、差額、手数料、完了日を記録します。具体的な仕訳・税務処理は契約内容を税理士等へ示して確認してください。
一部買取で残る債権は引き続き管理します。
精算完了を確認する
送金・差額精算後に、契約先が受領を確認したか、追加義務がないかを確認します。債権台帳を完了へ更新し、未解決事項を残しません。
登記や原本返却等の後処理も契約書で確認します。
回収後の書類を保存する
契約書、債権明細、入金明細、振込控え、売掛先・契約先との連絡を案件単位で保存します。個人情報・取引情報のアクセス権と保存期間を定めます。
次回利用時は前回条件を流用せず、新しい債権で再確認します。
回収後チェックリスト
方式、対象請求、入金日、名義、金額、送金期限、送金先、差額・遅延、振込控え、台帳、精算完了を確認します。契約直後からの全体は契約後の流れも参照してください。
二重入金・過入金を防ぐ
売掛先からの入金をファクタリング会社へ送金した後、同じ担当者が再び送金すると二重払いになります。振込担当と承認担当を分け、債権台帳に「入金確認」「送金承認」「送金実行」「先方確認」の時刻と担当者を残してください。会計ソフトの消込だけでは、契約上の精算が終わったか判断できません。
入金額が請求額を上回る場合も、差額を自己判断で別債権へ充当しないことが重要です。売掛先の過入金、複数請求の合算など原因を特定し、ファクタリング会社と処理方法を合意してから記帳します。
振込手数料と差額を確認する
回収金を送金するときの振込手数料を誰が負担するかは、契約書の精算条項で確認します。売掛先の振込手数料控除により請求額と着金額が一致しない場合もあります。差額が小さくても、手数料なのか値引きなのか、一部未払いなのかで会計・契約上の意味が異なります。
「いつもの差額」と決めつけず、請求書、通帳明細、売掛先の支払通知、契約書を並べて根拠を残しましょう。判断できない差額は、送金前にファクタリング会社へ金額と資料を示して確認します。
売掛先への連絡が必要か確認する
2社間契約では、通常の支払先や請求窓口を不用意に変更すると売掛先を混乱させます。一方、入金先の誤りや債権譲渡通知が済んでいる案件では、売掛先への案内が必要になる場合があります。誰が、どの文面で、何を伝えるかを契約先と確認してください。
売掛先へ説明する際は、事実と異なる理由を作らず、請求番号、対象期間、正しい振込先、連絡先を明確にします。営業担当だけで回答せず、経理・契約担当にも共有すると認識違いを防げます。
継続利用前に振り返る
精算後は、申込額、受取額、契約費用、実際の着金日、回収日、送金完了日を一つの記録にまとめます。資金需要に間に合ったか、資料差し戻しや確認待ちがどこで発生したかを振り返ると、次回の必要性と準備時期を判断できます。
同じ売掛金を再利用しないため、譲渡済み・精算済みの表示も残します。新たな資金需要が生じても、前回の債権を候補に戻さず、未譲渡の債権から改めて選定してください。
この記事の出典
手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」 金融庁 / 確認日 2026年8月25日
- 法務省「債権譲渡登記制度」 公的機関 / 確認日 2026年8月25日
- アクセルファクター「取引の流れと必要書類」 各社の公式ページ / 確認日 2026年8月25日