ファクタリング会社の総合比較

ファクタリングの契約条件を比較する方法|署名前の確認表

ファクタリングの契約条件を比較するために、対象債権、譲渡代金、費用、償還請求権、買戻し、登記、通知、回収後の送金、解除・違約金を同じ確認表で読む方法を解説します。

ファクタリングの契約条件を比較する方法|署名前の確認表

ファクタリングの契約条件は、手数料と入金日だけでは比較できません。対象となる債権、譲渡代金、控除項目、売掛先不払い時の負担、債権譲渡登記、通知・承諾、回収後の送金、解除・違約金を同じ欄で読みます。契約書の名称が同じでも条項は同じとは限らないため、説明資料、見積書、契約書を順に照合します。

金融庁は一般的なファクタリングを債権の売買と説明する一方、経済的に貸付けと同様の機能を持つものは貸金業に該当するおそれがあると注意喚起しています。比較の中心は、通常どおり回収できた場合だけでなく、売掛先が支払わなかった場合に誰が損失を負うかです。

説明から契約書まで照合する

最初に公式ページの一般案内、次に自社へ出された見積書、最後に署名対象の契約書を並べます。一般案内に「ノンリコース」とあっても、個別契約の買戻し、保証、表明保証違反、違約金の範囲を読まずに同じと判断しません。

公式案内、個別見積書、契約書、別紙と保存版を一本の文書タイムラインで照合する図
図1:一般案内から署名対象まで文書のつながりを残す金融庁・法務省(9/2)

契約書に別紙、利用規約、約款、同意事項への参照がある場合は、リンク先も含めて保存します。電子契約ではチェックボックスを押す前にPDFをダウンロードし、文書名、版、契約日、当事者を確認します。

口頭説明と文書が違う場合は、担当者の説明を優先せず、文書の修正または正式な回答を求めます。空欄のある契約書、署名後に条件を記入するとされる書面には同意しません。

対象債権を特定する

契約書には売掛先、債権額、発生日または請求の根拠、支払期日など、譲渡対象を区別できる情報があるかを確認します。複数の請求や将来の債権まで広く含む文言がある場合は、今回売却する範囲を質問します。

請求書額面と買取対象額が同じとは限りません。一部買取の場合、残額の権利、売掛先からの入金配分、手数料の計算対象を確認します。契約済みの債権を別会社へ重ねて譲渡しないよう、社内の債権台帳へ契約先と日付を記録します。

表明保証では、債権が実在すること、譲渡済みでないこと、相殺や争いがないことなどが定められる場合があります。自社が事実として保証できる範囲かを確認し、不明な取引状態を隠しません。

譲渡代金と費用を確認する

契約書の譲渡代金が見積書の受取予定額と一致するか、手数料とその他費用が別に差し引かれないかを見ます。振込手数料、事務手数料、登記関連費用などの有無を項目別に確認します。

契約書の欄 確認内容
債権額 請求書と一致するか
買取対象額 全部か一部か
譲渡代金 実際の受取予定額か
控除項目 名称、金額、計算方法
振込時期 起算点と前提条件
追加費用 発生条件と支払時期

下限率など公式ページの表示を契約書へ当てはめません。自社の契約で確定する値は、契約書と支払明細で確認します。個別の税務処理は税理士へ相談してください。

通常時と不払い時を分ける

通常時の資金の流れだけでなく、売掛先の支払遅延、倒産、相殺、取引上の争いが起きた場合の条項を読みます。誰が売掛先へ請求し、入金がない間に利用者へ何を求めるかを確認します。

通常どおり売掛金を回収した場合と売掛先が支払わない場合の確認事項を比較する図
図2:通常回収と売掛先不払い時の負担を別々に読む金融庁(9/2)

金融庁は、売主が債権を買い戻す、または自己資金で支払うこととされている取引について、貸金業に該当するおそれがあると説明しています。また、形式上は債権売買でも、経済的側面や実態で判断されるとしています。

「償還請求権なし」という表示だけで終えず、例外条項を読みます。債権そのものが存在しない場合など、利用者の契約違反による責任と、売掛先の信用リスクを利用者へ戻す条項を区別します。違いを理解できない場合は弁護士へ確認します。

買戻し・違約金の範囲を見る

買戻し条項がある場合、発動条件、買戻し額、期限、遅延時の金額を確認します。売掛先が単に支払えない場合まで利用者が全額負担するのか、虚偽申告や二重譲渡など利用者側の違反に限定されるのかで意味が違います。

違約金は、どの行為に対して発生し、どの金額を基礎に計算されるかを読みます。「損害一切」のように範囲が分からない文言は質問します。契約を急ぐ事情があっても、理解できない負担を残したまま署名しません。

保証人、担保、別契約への署名を求められた場合も、ファクタリング契約と別に内容を確認します。債権売買の説明と異なる書類が混ざっていないかを見ます。

登記・通知・承諾を分ける

法務省は、債権譲渡登記制度を、法人がする金銭債権の譲渡について債務者以外の第三者に対する対抗要件を備える制度と説明しています。登記できる譲渡人は法人に限定されます。

登記をしただけで債務者へ譲渡を主張できるわけではなく、法務省は登記事項証明書を交付して通知するなどの手続を説明しています。したがって、「登記あり」「通知なし」を一つの欄で扱いません。

契約比較では、登記をする条件、申請主体、費用負担、証明書、抹消・終了後の扱いと、売掛先への通知・承諾を別々に記録します。登記によって債権の存在や譲渡の有効性が公的に証明されるわけではない点にも注意します。

2社間の回収後送金を確認する

2社間契約で売掛先から利用者の口座へ入金される場合、受領した金銭をいつ、どの口座へ、どの名義で送金するかを確認します。入金を他の支払いに使わず、担当者不在でも期限までに処理できる社内手順を作ります。

売掛先の入金が遅れた場合、入金日変更を誰へいつ報告するかを確認します。利用者が自己資金で期日に穴埋めする義務があるのか、売掛先から実際に回収した後の送金なのかは重要な違いです。

回収専用口座や口座管理に関する条項がある場合、入出金の権限と通常の事業資金への影響を確認します。理解できない管理方法へ同意しません。

解除とキャンセルを読む

申込み、審査、見積り承諾、電子署名のどの時点で契約が成立するかを確認します。契約前の辞退と、契約成立後の解除は分けます。キャンセル料や費用が発生する条件を、申込み前または署名前に確認します。

契約後に別会社の条件が良いと分かっても、同じ債権を再譲渡してはいけません。契約の終了、債権の回収、必要な抹消や通知が完了したことを確認してから、別案件を検討します。

クーリングオフが当然に使えると決めつけず、個別契約の解除条項と法的扱いを専門家へ確認します。

契約条項の確認欄

比較表には、次を一社ごとに記録します。

  • 契約当事者の商号と所在地
  • 対象債権を特定する情報
  • 買取対象額と譲渡代金
  • 手数料とその他費用
  • 振込の前提と予定時期
  • 償還請求権と買戻し
  • 表明保証違反の範囲
  • 遅延、倒産、争いがある場合の処理
  • 登記の条件と費用
  • 売掛先への通知・承諾
  • 回収後の送金期限
  • 解除、キャンセル、違約金
  • 裁判管轄と相談先
  • 別紙・規約の保存
対象債権、代金と費用、信用リスク、登記と通知、終了条項を確認書面と判断欄で整理する表
図3:契約書を5つの負担領域で横断する金融庁・法務省(9/2)

項目がない場合は、存在しないと推測せず確認不能と記録します。各社を点数化せず、自社が受け入れられない条件があるかで判断します。

署名後の保管と引継ぎ

署名済み契約書、見積書、提出資料、担当者の回答を一つの場所に保存します。経理担当には受取額だけでなく、売掛金の支払日に必要な送金や報告を引き継ぎます。

契約内容を読めないまま比較を終えないことが最も重要です。見積り段階は見積もりの比較方法へ、危険な条項の考え方は契約時の注意点へ進んでください。個別契約の法的判断は弁護士へ相談してください。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。