初心者の疑問

ファクタリングは違法?適法な取引と注意すべき契約を解説

債権の譲渡は民法が認めており、取引自体は違法ではありません。一方で実質が貸付なら貸金業の規制が及びます。線引きを条文と金融庁の資料で確認します。

ファクタリングという取引自体は違法ではありません。民法第466条第1項が「債権は、譲り渡すことができる。」と定めており、金融庁も法的には債権の売買(債権譲渡)契約であると説明しています。

違法になりうるのは、実質が貸付である場合です。ここに線があります。

貸付に当たると規制が及ぶ

金融庁は、貸金業を行うには財務局または都道府県の登録を受ける必要があり、無登録営業は刑事罰の対象であると説明しています。また、貸金業を行う場合は利息制限法および出資法の上限金利を守る必要があり、出資法の上限金利を超える利息の契約・支払・受領は刑事罰の対象だとしています。

債権の売買として整理される場合と、実質が貸付とされ貸金業の規制が及ぶ場合に分かれることを示した分岐図
図1:債権の売買か、貸付か金融庁の説明・民法第466条(2026年8月18日確認)

さらに、年109.5%を超える利息の契約をした場合、消費貸借契約自体が無効であるとしています。

実質で判断される

金融庁は、契約書に債権譲渡契約(売買契約)と定められた取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものは、貸金業に該当するおそれがあるとしています。

判断は、ノンリコースの規定があるかといった形式的な要素だけでなく、経済的側面や実態に照らして行われるとされています。

裁判例でも実態が見られている

金融庁は、貸金業法が適用されないと判断された事案として、業者が償還請求権を有しておらず、売主も債権の買戻しを予定していないことなどから、実質的にも不払いリスクが業者へ移転していると評価できることなどを考慮したものを紹介しています。

償還請求権、買戻しの予定、不払いリスクの所在という観点で、適用されないと判断された事案と貸付に当たると判断された事案を並べた表
図2:裁判例で考慮された事情(金融庁の紹介による)金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」で紹介された裁判例(2026年8月18日確認)

反対に、貸付けに当たると判断された事案では、業者が不払いリスクをほとんど負っていないこと、債権額とは無関係に金員の授受がされていたことなどが考慮されています。

利用する側が確認できること

違法かどうかを最終的に判断するのは裁判所ですが、契約前に確認できる材料はあります。

買戻しの定め、買取代金の水準、貸付なら登録の有無、相談先という4項目のチェックリスト
図3:契約前に確認できる材料金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」(2026年8月18日確認)をもとに作成

個人向けの取引は別問題

金融庁は、個人に対して「給与ファクタリング」という手法で貸付けを行うヤミ金融の存在も確認されているとして注意を促しています。事業者向けのファクタリングとは分けて考えてください。

安全性の確認手順はファクタリングは安全?、相談先は利用前に知っておくことにまとめています。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。