ファクタリングは、事業上の売掛債権を保有する法人や個人事業主が利用対象になるサービスです。ただし、対応する申込者区分、売掛先、債権額、必要書類は会社ごとに違います。金融庁が説明するファクタリングは、事業者が保有する売掛債権等の売買です。
法人
株式会社、合同会社など法人を対象にするサービスがあります。法人の存在、代表者、契約権限、売掛債権の保有者、口座名義を確認します。
担当者が申し込む場合は、代表者の本人確認や委任状等が必要になる可能性があります。支店・子会社・親会社の債権を混同せず、契約主体を法人番号・正式名称で特定します。
個人事業主
個人事業主対応を公表するサービスもあります。PAYTODAYは公式サイトで法人・個人事業主への対応を示し、ペイトナーも公式案内で利用条件・必要資料を案内しています。
本人名、屋号、請求書、口座名義、確定申告資料の表記が異なる場合は、同じ事業を示す資料を整理します。開業届や申告書がない場合の代替は個別に相談します。
フリーランス
フリーランスという働き方でも、事業として取引し、売掛債権を保有している場合に対象となるサービスがあります。雇用契約による給与と、業務委託等による事業上の報酬を区別します。
請求書、業務委託契約、納品・検収、入金履歴を用意します。「フリーランス対応」という表示だけで、すべての取引先や請求額が対象になるとは限りません。
給与を受け取る会社員
会社員が勤務先に対して持つ給与債権を買い取る給与ファクタリングは、事業者の売掛債権買取りと別です。金融庁は給与ファクタリングを利用しないよう注意喚起しています。
個人の生活費のために給与を早期現金化する目的で、事業者向けファクタリングを案内しません。多重債務や生活費の相談は公的相談窓口を利用してください。
開業直後・設立直後
業歴が短くても相談可能な会社はありますが、決算書・申告書・過去入金が存在しない場合があります。設立・開業日を伝え、発注、契約、納品、請求、口座明細など現在ある資料を整理します。
「新設でも対応」と「必ず利用できる」は違います。売掛先や債権、必要資料を個別審査します。
赤字・債務超過の事業者
融資とは審査の中心が同一ではなく、売掛債権や売掛先の支払見込みを確認します。一方で財務状況を確認する会社もあり、赤字だから必ず利用できる・できないとは断定できません。
正確な決算書や試算表を提出し、数字を黒字に見えるよう変更しません。手数料を差し引いた後の資金繰りも確認します。
税金・社会保険料を滞納している事業者
滞納があっても相談を受ける会社がありますが、差押えの可能性などにより判断が変わる場合があります。滞納状況、納付計画、口座・債権への影響を正確に伝えます。
納税証明書や納付書等を求められることがあります。滞納を隠して審査へ回答しないようにします。
売掛先が法人の場合
法人に対する売掛債権を中心に扱うサービスがあります。売掛先の正式名称、所在地、取引実績、請求額、支払期日を示します。
大企業・公的機関が売掛先でも審査通過が保証されるわけではありません。請求の成立と未譲渡を確認します。
売掛先が個人事業主の場合
個人事業主に対する債権を扱うかは会社ごとに異なります。対象外の会社も、対応を示す会社もあるため、申込み前に売掛先区分を伝えます。
相手の事業実態、契約、過去入金など追加資料を求められる可能性があります。売掛先を法人と偽って入力してはいけません。
契約権限がある人
債権を保有する事業者本人、法人代表者、正式な委任を受けた担当者などが手続します。退職者、外部の無権限者、家族が本人になりすまして申し込むことはできません。
電子契約でも、アカウントの名義、本人確認、署名者の権限を確認します。認証コードを担当者間で安易に共有しないようにします。
必要書類を提出できる人
本人・法人確認、売掛債権、契約・発注・納品、入出金、決算・申告など、申込先が必要とする資料を提出します。資料がない場合は確認目的と代替を相談します。
必要資料を提出できることは、審査通過や希望条件を保証しません。追加質問には記録に基づいて回答します。
利用前に安全性を確認する
利用対象に当てはまっても、契約相手の会社情報、費用、買戻し、保証、違約金を確認します。金融庁の注意喚起にあるような、実質的な貸付けが疑われる条件に注意します。
正式見積りで額面、買取額、全控除、実受取額を照合し、資金繰りに合わなければ契約しません。
自分が対象か確認する手順
申込者区分、契約権限、売掛先区分、債権の成立、額面・期日、必要資料を公式窓口へ伝えます。受付可能と審査通過を区別します。
全体条件はファクタリングの利用条件、対象外事情は利用できないケースで確認してください。
医療法人・介護事業者など
診療報酬、介護報酬など一般企業の請求書とは異なる債権を扱うサービスがあります。請求先、審査支払機関、支払周期、通知・承諾の手続が通常の商取引と同じとは限りません。
法人形態や許認可だけで対象と判断せず、扱う債権の種類に対応する会社へ確認します。公的支払だから必ず審査に通るとは限りません。
NPO法人・一般社団法人など
株式会社以外の法人に対応するかも会社ごとに異なります。法人格、事業として発生した売掛債権、代表者と契約権限を示します。寄付金、助成金、会費などを通常の売掛債権と同じものとして申し込まないようにします。
自法人の収入がどの契約に基づき、誰に対するどの権利かを確認してください。
外国人経営者・海外法人
日本法人の外国人代表者について、利用可能な本人確認書類や在留情報を何で確認するかは会社ごとに異なります。表記、住所、契約権限を正確に伝えます。
海外法人そのものや海外売掛先を扱うかは別の条件です。国内法人対応という表示だけで国際債権も対象になると判断しません。
複数事業を営む個人事業主
複数の屋号や事業を運営している場合、今回の請求書がどの事業に属し、どの口座へ入金されるかを整理します。申告書全体の売上と一枚の請求が直接一致しない理由も説明できるようにします。
別人や別法人の事業を混ぜず、契約・納品・請求の主体をそろえます。
過去に審査否決された人
過去に別案件で否決されたことだけで、将来すべての申込みが不可能とは限りません。一方、会社を変えれば必ず利用できるわけでもありません。
今回の売掛債権、売掛先、資料、金額、支払期日を正確に伝えます。否決理由を推測して数字や事実を変えないでください。
代理店・紹介者を介する場合
紹介者がいても、契約相手、資料提出先、費用、個人情報の取扱いを確認します。紹介者へ銀行認証情報や不要な原本を渡しません。
最終的な契約書を自分で読み、紹介時の口頭説明と正式条件が一致するか確認してください。
事業を廃止・休止している人
過去の事業で発生した未回収債権があっても、現在の事業状態、債権の存続、契約主体を確認する必要があります。廃業済みだから必ず対象外、または過去の請求書があれば利用できるとは断定できません。
廃業日、債権発生日、支払期日、口座、税務手続を正確に伝え、申込先と必要なら専門家へ確認します。
この記事の出典
手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」 金融庁 / 確認日 2026年8月25日
- PAYTODAY公式サイト 各社の公式ページ / 確認日 2026年8月25日
- ペイトナー「ご利用に必要なもの」 各社の公式ページ / 確認日 2026年8月25日