必要書類

ファクタリングに決算書は必要?求められるケースと代替書類

ファクタリングで決算書を求められる理由、必要な年度・ページ、設立直後や個人事業主で決算書がない場合の確認方法を解説します。

ファクタリングで決算書が必要かは会社・商品・申込者によって異なります。PAYTODAYは公式サイトで直近の決算書を必要資料として案内する一方、ペイトナーは公式ページで本人確認書類と請求書を案内しています。したがって「全社で必須」「どこでも不要」とは断定できません。

決算書を求める主な理由

決算書は申込者の事業実態、売上規模、売掛金、借入金、直近の経営状況を確認する材料です。請求書に記載された取引が事業規模と大きく乖離していないか、帳簿上の売掛金とどう対応するかを確認する場合があります。

決算書を公式必要資料に含む例と本人確認書類と請求書を案内する例を比較した図
図1:決算書が必要なサービスと少ない資料のサービスPAYTODAY・ペイトナー公式案内(2026年8月25日確認)

ただし、ファクタリングは売掛債権の売買であり、銀行融資の審査と同一ではありません。決算が赤字、債務超過であることだけを理由に利用可否を一律に決められるとは限らず、正式な判断は各社の審査によります。

どの書類を指すか確認する

法人の「決算書」は通常、貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費の内訳、株主資本等変動計算書、個別注記表などで構成されます。勘定科目内訳明細書や法人税申告書の別表まで必要かは申込先へ確認します。

貸借対照表、損益計算書、変動計算書、注記、補足資料を積み上げた図
図2:法人決算資料の構成を確認法人決算資料を整理した編集部作成図(2026年8月25日)

表紙だけ、損益計算書だけを送ればよいと自己判断しません。「決算書一式」の範囲、必要な事業年度、税務申告済みであることを示す資料の要否を聞きます。ページ欠落がないよう、目次とページ番号を照合します。

必要な年度と最新状況

直近1期か複数期かは会社によって異なります。申込時点で最新期の決算から時間がたっている場合、直近の試算表、売掛金元帳、総勘定元帳などを追加で求められる可能性があります。

決算期後で申告書作成中の場合は、確定前の資料を確定済みと表示しません。前期決算書と現在までの試算表を用意できるか、決算確定後の再提出が必要かを相談します。暫定値には作成基準日を明記します。

設立直後で決算書がない場合

第1期の決算を迎えていない会社には過年度の決算書が存在しません。存在しない資料を作らず、設立日と第1期中であることを伝えます。履歴事項全部証明書、事業計画、試算表、請求書、契約・発注・納品資料、口座明細など、申込先が認める代替資料を確認します。

決算書なしで利用できると表示するサービスでも、本人確認や債権・取引の確認まで不要という意味ではありません。必要資料の少なさだけで選ばず、対象債権、利用額、費用、契約条件も比較します。

個人事業主には法人決算書がない

個人事業主は法人の決算書ではなく、確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書などを使う場合があります。青色申告と白色申告で作成する資料が異なるため、自分が提出した申告資料の名称を正確に伝えます。

開業後初めての申告期限前なら、確定申告書もまだ存在しません。開業届、帳簿、試算表、請求書、入出金明細などが代替になるか申込先へ相談します。法人向け申込フォームへ無理に入力せず、個人事業主向けの窓口を使います。

決算書と請求書を照合する

請求書の売掛先と、売掛金元帳・勘定科目内訳明細書の取引先が対応するか確認します。決算後に始まった新規取引なら、過年度決算書に相手が載らない理由を説明し、契約書や発注書を追加します。

請求額が月商に比べて大きい、季節変動がある、複数案件を合算している場合は、取引の背景を示します。数字を一致させるために決算書を加工してはいけません。修正申告や会計上の訂正がある場合は、正式な資料と経緯を提示します。

赤字・債務超過の場合

赤字だから決算書を隠す、黒字に見える資料へ差し替えるといった行為は不適切です。正確な決算書を提出し、赤字の理由、一時的な費用、現在の受注・入金状況など、求められた事実を補足します。利用可否と条件は申込先が判断します。

ファクタリング後も、手数料等を差し引いた資金で必要支出を賄えるか資金繰り表で確認します。赤字の穴埋めを繰り返し、将来の売掛金を継続的に前倒しすると、翌月以降の資金が不足する可能性があります。

電子データで提出する方法

会計ソフトからPDFを出力する場合は、対象会社、会計期間、作成日、ページが分かる設定にします。Excelへ転記しただけの表ではなく、申込先が認める形式を確認します。電子申告の受信通知や申告書控えを併せて求められるかも聞きます。

ファイルには「会社名_2026年3月期_決算書一式」のように名称を付け、原本と提出版を区別します。パスワード付きファイルを使う場合は、パスワードの伝達方法を公式窓口と確認し、同じメール本文へ安易に併記しません。

不要部分のマスキング

決算書には役員報酬、取引先、借入先などの機密情報が含まれます。どのページ・項目が審査に必要かを確認し、無関係な情報をマスキングできるか申込先へ相談します。自己判断で行やページを削ると、整合性を確認できなくなります。

提出先の会社名、利用目的、保管期間、第三者提供、削除窓口をプライバシーポリシーで確認します。公式サイトで指定されたアップロード先を使い、個人のSNSや出所不明の共有リンクへ送信しないでください。

決算書が不要でも確認すること

書類が少ないことは手続の利便性ですが、手数料が低い、安全、必ず承認されることを意味しません。買取額、手数料・諸費用、実受取額、入金日、売掛先からの回収後の送金、償還請求権や保証の有無を契約書で確認します。

金融庁は、ファクタリングを装って実質的に貸付けを行う事業者などへの注意を促しています。決算書なしという広告だけで判断せず、契約主体と取引の法的な仕組みを確かめ、不審な条件は専門窓口へ相談してください。

提出前チェック

会社名、会計期間、確定・暫定の別、必要年度、全ページ、申告済みの確認資料、最新試算表の要否を確認します。請求書、売掛金元帳、口座明細との数字の関係も説明できるようにします。

法人名、会計期間、確定版、全ページ、最新試算表、請求書との整合を確認するリスト
図3:決算資料の提出前確認決算資料の確認項目を整理した編集部作成図(2026年8月25日)

決算書がない場合は、ない理由と設立・開業日を伝え、代替資料を事前承認してもらいます。一般的な必要書類はファクタリングの必要書類、法人向けは法人の必要書類も参照してください。

連結・単体、支店・本店を取り違えない

企業グループでは連結決算書と申込法人の単体決算書が別です。売掛債権を保有する法人と、決算書に記載された法人が同じか確認します。親会社の決算書だけで子会社の申込みを進められるとは限りません。グループ内の関係資料を求められた場合も、正式名称と法人番号で区別します。

支店が申込みを担当していても、契約主体が本店法人なら法人全体の決算資料になることがあります。支店独自の管理表を法定の決算書と表示せず、資料の性格を説明します。誰が契約権限を持つかも委任状や社内規程で確認してください。

直近試算表を提出する場合

試算表は確定決算書と異なり、作成途中の数字を含む場合があります。対象期間、月次締めの状況、税理士確認の有無、未処理取引を明記します。貸借対照表と損益計算書の両方が必要か、売掛金元帳を追加するかを申込先へ聞きます。

決算書から試算表までの売上・売掛金の動きを説明できるよう、月次推移を整理します。入金済みの債権が売掛金に残っている、対象請求が計上されていないなど差異があれば、会計処理を確認してから提出します。審査用にだけ数字を移し替えてはいけません。

経理担当者の最終確認

申込担当者だけで送信せず、経理担当者が期、法人名、版、ページを確認します。税務申告前のドラフト、金融機関提出版、株主向け資料など複数の版がある場合は、どれが確定版かを明示します。監査報告書を含める必要があるかも個別に確認します。

提出後の追加質問には、決算書のどのページ・勘定科目に関する質問かを記録して回答します。口頭説明だけで重要な数字を変更せず、必要なら正式な補足資料を出します。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。