ファクタリングの基礎

ファクタリングはいつからある?日本で利用が広がった背景を解説

日本でファクタリングの利用が広がった背景を、制度の変化から確認します。1998年の債権譲渡登記制度、2020年施行の民法改正、金融庁の注意喚起という3つの節目を公表資料で追います。

ファクタリングが日本でいつ始まったかを、一次情報で年を特定できる形で示すのは簡単ではありません。ただし、利用しやすさを左右した制度の節目は、公的資料で確認できます。ここでは、確認できる3つの節目だけを扱います。

確認できない年号や、業界の規模の推移は、この記事では書きません。推測で数字を置くと、読む側の判断を誤らせるためです。

節目1:1998年10月、債権譲渡登記制度が始まった

法務省は、債権譲渡登記制度について、法人がする金銭債権の譲渡などを簡便に第三者へ対抗するための制度であり、債権流動化をはじめとする法人の資金調達手段の多様化の状況に鑑みて、平成10年10月1日から実施されているものだと説明しています。

1998年10月の債権譲渡登記制度の実施、2005年10月の将来債権の登記、現行民法の譲渡制限特約の扱い、金融庁の注意喚起という節目を並べた時系列図
図1:公表資料で確認できる、制度の節目法務省・e-Gov法令検索・金融庁(2026年8月18日確認)

それまでは、多数の債権を一括して譲渡する場合、すべての債務者へ民法所定の通知などを行う必要があり、手続き・費用の負担が重く、実務的に対抗要件を備えるのが難しいとされていました。登記という方法ができたことで、売掛債権を使った資金調達の実務が動かしやすくなりました。

節目2:2005年10月、将来債権も登記できるようになった

法務省は、平成17年10月3日に「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律」が施行され、企業が有する資産を有効に活用し、更なる資金調達の円滑化・多様化を図るため、債務者が特定していない将来債権の譲渡についても登記によって第三者に対する対抗要件を備えることが可能になった、と説明しています。

節目3:民法改正で、譲渡制限特約の扱いが変わった

現行の民法第466条第2項は、当事者が譲渡を禁止・制限する意思表示をしたときであっても、債権の譲渡はその効力を妨げられない、と定めています。契約書に譲渡禁止の定めがあっても、譲渡自体が無効にはならないという整理です。

売掛先に主張する場合は通知か承諾、第三者に主張する場合は確定日付のある証書、法人は債権譲渡登記という手続きの違いを並べた表
図2:誰に権利を主張するかで、必要な手続きが変わる民法第467条・法務省「債権譲渡登記制度とは?」(2026年8月18日確認)

ただし第3項は、譲渡制限の意思表示を知っていた、または重大な過失で知らなかった譲受人などに対しては、債務者が履行を拒めるとしています。特約があってもよい、という意味ではありません。詳しくは売掛金・売掛債権で扱います。

広がりとともに、注意喚起も出ている

金融庁は、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されているとして、利用する事業者に注意を促しています。あわせて、ファクタリングとして行われた取引が貸金業に該当するかどうかを判断した裁判例を複数紹介しています。

制度が整い、利用が広がる一方で、名前だけを借りた取引も現れている——これが現在の状況です。判断の材料は利用前に知っておくことにまとめています。

この記事で扱わなかったこと

次の点は、一次情報で確認できなかったため書いていません。

  • 日本国内でファクタリングが最初に提供された年
  • 業界全体の取扱高や事業者数の推移
公的資料で確認できた制度の節目は記載し、開始年や業界規模の推移は確認できないため記載しないことを対比した図
図3:この記事で書けたこと・書かなかったこと確認できた一次情報の範囲(2026年8月18日時点)

確認できる資料が見つかった時点で追記します。現在の各社の条件は比較ページで確認してください。

この記事の出典

手数料・条件・手続きは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。